熱中症対策の常識は、水分と塩分。でも、塩分が必要なのはナゼ??
阪神・原口選手が試合終わり、
グラウンドから引き上げる際に深々と一礼をする姿に心打たれている院長の段上 功(だんじょう いさお)です^^
どんなに打てなくても、イチロー選手がバットを乱暴に扱ったりしないように、立場や状況が変わっても、いつまでも感謝する心を忘れないようにしたいですね^^
【まだまだ気を抜けない熱中症】
各地で続々と夏の甲子園出場校が決まり、
本格的な夏の当来を感じさせる季節になってきました。
まだまだ暑いこの季節。
そこで気にしなければいけないのが、
やっぱり熱中症です。
先日お伝えした梅雨時と同じぐらい、
8月は熱中症になる方が多い季節でもあります。
睡眠や食事など、自己管理をきっちりとおこない、
夏の暑さに負けないように心掛けましょう。
【水分だけじゃなく塩分が必要なのはなぜ?】
熱中症対策には、水分だけじゃなく、
塩分が必要だというのは、
もう知らない人が居ないぐらい浸透していますよね。
水分が必要なのはわかりますが、
ではなぜ、塩分も必要なのでしょうか?
もし、水分だけを摂り続けたらどうなるのでしょうか?
もしかしたら知っている方も居るかもしれませんが、知らない方のために、
今日はそんなことを少し解説します。
【水分だけを摂り続けると、脱水になる】
ボクたちの血液には、ほんの少しの塩分が含まれています。
中学校や高校の時に、
0.9%の生理食塩水って習いましたよね?
ヒトの血液には、あれとほぼ同じ濃度の塩分が含まれているんです。
0.9%ってほんのわずかに感じますが、
この濃さが非常に重要で、それが濃すぎても、薄すぎても、
カラダにとってはあまり良い結果を及ぼさないんです。
だから、ヒトのカラダというのは、
その濃度を一定に保てるように上手く出来ているんです。
例えば、全く運動をしていない、
汗も一滴もかいていない時に、
たくさんの水を一気に飲むと、
カラダの塩分の濃さってどうなると思いますか?
塩分が同じで水分だけ増えたら、
塩分の濃度は薄くなりますよね?
さっきのお話の0.9%より薄くなります。
(これを①とします。)
こういう時(①)は、おしっこを出したりして、
薄くなった濃度を戻そうと調節するんです。
反対に、全く水分を摂らずに、
塩辛い物ばかりをたくさん食べると、
カラダの塩分の濃さはどうなると思いますか?
水分が同じで塩分だけが増えたら、
塩分の濃度って濃くなりますよね?
きっと0.9%より濃くなるはずです。
(これを②とします。)
こういう時(②)はどうなるかというと、
非常に喉が渇きます。
水が飲みたくなるんです。
そんな経験って皆さんありますよね。
そうやって濃くなった塩分の濃度を戻そうとするんです。
ヒトってホントに賢いですよね。
これを勝手にやってくれるんですから。
【では、外で汗をかいた場合はどうなるのか。】
そもそも、汗をかくと、
少ししょっぱい感じがありますよね?
そのしょっぱさはご存じの通り、塩分なんです。
汗というのは、水分と共に、ほんの少しですが、
塩分も一緒に外へ出しているんです。
汗をかいて、
水分も塩分も減っていっている状態、
この状態で放置していると、
熱中症になりやすいんです。
これはもうご存じですよね。
では、この水分も塩分も減っている状態で、
水分だけを摂ると、どうなると思いますか?
さっきの塩分の濃さをイメージしてみて下さい。
水分も塩分も減っているのに、
水分だけ摂ると、
塩分の濃さは薄くなりますよね?
さっきの(①)と同じ状態です。
水分量が多すぎて、
塩分濃度が0.9%より薄い状態。
そういう時にヒトはどうするかというと、
①の時と同じで、おしっこをするなどして、
せっかく摂った水分を外に出しちゃうんです。
そして、また水分も塩分も少ない状態になる。
汗をかき続けている分、
もしかしたら、もっとヒドイ状態になるかもしれません。
熱中症対策に、
「水分だけじゃダメですよ!」
と言われているのは、
実は、こういうことが起こってしまうからなんです。
水分だけを摂り続けると、より脱水が起こってしまう。
だからこそ、汗をかいた時は、
水分も塩分も補給しなければいけないんです。
そうすると、水分と塩分の濃度のバランスが取れ、
熱中症になりにくくなるんです。
長々とお伝えしましたが、
なんとなくでもお分かりいただけましたでしょうか?
ボクらは当たり前のように理解していることでも、
一般の方にとっては、
意外と、その意味を知らなかったりするんです。
今回の熱中症の塩分の件がそうです。
意味を理解していると、行動が変わりますからね。
皆さんに知って頂きたくてお伝えしました。
まだまだ暑い季節が続くので、
ぜひしっかりと頭に入れて、
水分と共に、塩分も摂るように心掛けてくださいね^^
本日も長くなりましたが、
最後までお読みいただきありがとうございました!