東邦高校×光星学院戦。球史に残る大逆転劇は、笑顔を絶やさず楽しんでプレーしたことによって生まれた。
【球場全体が選手を後押しする瞬間】
見てる側でも暑さで倒れそうな中、誰ひとり手を抜かず、伸び伸びとプレーする姿は本当に心を打たれますよね。
高校野球を実際に見に行くと、
色んな雰囲気を感じることが出来るものです。
その中でもボクが強く感じたのは、
球場全体が選手を後押しするということ。
昨日の試合でいえば、
最終回、大会屈指の左腕・花咲徳栄高校の高橋昂也投手から、樟南高校の選手たちが反撃を開始したシーンがそう。球場に居る方から送られる声援が、花咲徳栄高校の選手から樟南高校の選手へと移動していったように感じました。
その瞬間には、どちらのチームを応援しているなどは関係なく、必死にプレーする姿に感情移入して声援を送る。
ただそれだけだったのではないでしょうか。
そしてまたその声援が選手の力になり、追撃を後押しする。
結果としては追いつくことはなかったものの、
球場が作る雰囲気というものを、肌で感じることが出来ました。
【チームの柱が凡退しても、笑顔を貫いた東邦高校】
ただ、その観衆を巻き込む雰囲気を作るのは、やはり選手だと思います。
9回ウラに突入した時点で、
東邦高校は、5‐9と光星学院に4点のリードを許していました。
勝つためには、4点を取って延長戦に持ち込むか、5点を取って逆転するしかありません。
そんな厳しい状況の中、東邦高校の選手たちは、本当に5点を奪ってサヨナラ勝ちしてしまったんです。
1点を返して3点差に迫り、押せ押せのムードでまわってきたのは、チームの主将で4番を務める藤嶋くん。
しかしあっさりと打ち上げて凡退し、ツーアウト。
本当なら、もうここで気持ちが切れてもおかしくない状況でした。
だけど、ベンチに居る選手たちの表情は明るかった。
特に、フライを打ち上げて責任を感じているはずの藤嶋くんは、笑顔でベンチに戻り、次のバッターに笑顔で声援を送っていたんです。
あと1つのアウトで、彼らの夏が終わるその瞬間にです。
3年間のキツイ練習、楽しかった思い出。
負ければそんな仲間との戦いも最後になる。
色んな感情が込み上げてくる状況の中で、
東邦高校の選手たちはみんな笑顔を絶やさなかったんです。
その姿を見た時に、これはまだチャンスがある。
ボクはそう確信しました。
そして気付けば、東邦高校の選手たちを応援していました。
後続のバッターがヒットを放ち2点差。
「笑顔」で伸び伸びとプレーする東邦ナインを球場全体が味方し、今までに感じたことのない声援がテレビから聞こえてきました。
そして、次のバッターもヒットを放ち、ついに同点。
最後のバッターはこの日、ノーヒットの鈴木くん。
「必ず逆転出来るという雰囲気だった。」
という試合後の言葉通り、
レフトにサヨナラヒットを放ち、東邦高校が大逆転勝ち。
テレビを見ていても、球場全体が東邦高校の逆転を確信し、それを後押ししているのが伝わってきました。
これは、実際に球場で観戦をしていたボクの友人も、同じことを言っていました。
ただ、忘れてはいけないのは、
その雰囲気を作ったのは、東邦高校の選手たちです。
誰ひとり諦めた表情をせず、笑顔を絶やさず、楽しそうにプレーしていた。
その姿に球場全体が心を打たれ、結果的に彼らを後押しした。
昔から、
楽しそうな雰囲気は伝染する。
何事も楽しむことが大事。
ということを耳にしてきましたが、
東邦高校の選手たちの姿を見て、本当にそうだなと確信しました。
あの場面で試合を楽しむことが出来た彼らの姿は、
色んな方の心を打ったのではないでしょうか。
それだけ、楽しむことが大事だということ。
球史に残る、本当に素晴らしい試合でした!
また明日からもっともっと楽しんで生活しよう、そう感じた夏の夜でした。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!