クリニックでの不妊治療と共に、鍼灸治療を併用することをオススメする理由。鍼灸師の立場から見た西洋医学と東洋医学の大切さ。
こんにちは!大阪市城東区鴫野にある段上はり灸整骨院院長の段上 功(だんじょう いさお)です^^
この10年、医療の分野はものすごいスピードで進化してきました。
特に、体外受精や人工受精などの「生殖医療」に関してはそれを強く感じます。
ただ、残念ながらそれでも今の日本では、妊娠を望む方の約10組に1組の割合で妊娠が出来ていません。
今年に入り、日本生命さんが不妊治療に対しての保険を国内で初めて実施されたことから見ても、どれだけ多くの方が悩まれているのかがわかります。
そういった現状を踏まえて、鍼灸師という立場から「不妊症」と「不妊治療」のことについて少し書きたいと思います。
【治療法なんてどっちでもいい】
不妊症で悩む方、実際に不妊治療を受けられている方もそうでない方も、その末にお子さまをご出産されている方も、ボクの鍼灸院にはお越しになられています。
そこで色んなお話をするんですが、この「不妊治療」に関して、さまざまなところで色んな意見を聞くみたいです。
良いこともあればそうでないこともあって、中には「クリニックでは鍼灸なんか受けてはいけない」とか「鍼灸の先生のところでは西洋医学は必要ない」って言われたりすることもあるそうなんです。
不妊治療にはやっぱり西洋医学がいいとか、東洋医学だけでいいとか。
たしかにそうなのかもしれませんが、なんかボクはこの考え方って好きじゃないんです。
だからいつも思うんです。
そんなのはもう、正直どうだっていいって。
だって、本当に悩んでいる方にとって「 方法 」なんて関係ありませんよね。
望んでいるのは「どんな治療法をおこなうのか」なんかじゃなくて「赤ちゃんを授かり、お腹の中で大切に育て、無事に出産をして、こどもさんとの幸せな生活を手に入れること。」なんです。
だから、治療法なんてなんだっていいと思うんです。
それが西洋医学だろうが、鍼灸だろうが、漢方だろうが、運動療法だろうが。
望むところに少しでも近づけられることが一番なんです。
それぞれに良い部分があるのは事実なんだから、どれか一つに固執せずに、良いことは良いことと受け止めて、色々と組み合わせても良いんじゃないかなってボクは思うんですよね。
そのために、今の自分の立場からどんなお手伝いが出来るのか、そういったことの方がよっぽど大切だと思います。
【クリニックも鍼灸も、それぞれに得意な分野がある】
不妊で悩む方のアプローチでは、体外受精や人工受精、卵子凍結など、お医者さんにしか出来ないことがたくさんあります。
それは検査もしかりで、子宮卵管造影検査やエストロゲン発育検査、フーナーテストなど、ボクたち鍼灸師には出来ないことが山ほどあります。
そしてやはり、クリニックの先生方は、ボクたちとは積んできた経験も違えば、出来る医療の範囲も全然違います。もちろん、検査や手厚いケアなどをおこなう環境や設備も整っていますしね。
ですが、お医者さんにしか出来ないこと、クリニックにしか出来ないことがあるように、ボクたち鍼灸師にしか出来ないことや、鍼灸治療だから出来ることもあると思うんです。
鍼灸師として、それをもっと知ってほしいと思いますし、やっぱりもっと伝えていかないといけないなって最近つくづく感じています。
【鍼灸治療だから出来ること】
妊娠をすること、出産をするために本当に大事なことは「心身ともに調和がとれた健康なカラダ」だとボクは思うんです。
それは、子宮とか卵巣とかの機能の話ではなくて、カラダ本来が持つ機能がしっかりと働いているかどうかということ。
例えば、想像してほしいんですけど、
・血液の循環が悪く、ものすごくカラダが冷えている
・生理周期が一定しないなど、ホルモンバランスが乱れている
・イライラしたり、落ち込んだり、キモチの浮き沈みが激しい
・カゼを引いたり、病気にかかったりとカラダが弱い
以上のようなことがある状態で、お腹の中に赤ちゃんを授かり、しっかりと元気なこどもさんを産み・育てることが出来るでしょうか。
もちろん出来なくはないと思うんですが、ボクは少し難しいんじゃないかなって思うんです。
ナゼなら、妊娠・出産というのは、こどもさんにもお母さんにとっても大きな負担が掛かるから。
その健康状態で、お腹の中に赤ちゃんを宿して大丈夫かな?なんて神様も思っているんじゃないかなって思うんです。
実際に、不妊クリニックに通いながら鍼灸治療を受けに来られる方は、今挙げたようなカラダの状態である方がほとんどなんです。
だからボクたちは、はりとお灸を使い、こういった部分にアプローチし、赤ちゃんを産み・育てられるような健康なカラダづくりを目標に施術をおこなっているんです。
【妊活・不妊治療がストレスになっている方がほとんど】
それだけでなく、不妊である原因の一つに、睡眠不足や栄養状態、精神的な部分も大きく影響してくると思うんです。
実際に、妊活や不妊治療をされている方は、本当にストレスを抱えています。
でも、そりゃそうだと思うんです。
なぜなら、クリニックでの人工授精は一回数万円、体外受精や顕微授精になると一回30~40万円、高いものでは100万円に達するものがあるんですから。
それに、それだけのお金を支払って、妊娠しないことの方が確率的には高いです。
だから不妊治療がストレスにならない方っていないと思うんです。
夫婦共働きで必死に貯めたお金をやりくりし、まだ見ぬ赤ちゃんのために懐を痛めながらお金を出している。
ボクの友達や先輩でも、年数を決めて「何年かで見切りを付けよう」とか、金額を決めて「この額までは頑張ろう」と話し合いをしていたりします。
そして、友達や知り合いがどんどん妊娠していく現状や、家族・親戚からの期待や焦り、重圧やプレッシャーなんかも乗っかってきます。
あまり認知されていない鍼灸治療を受けに来られた段階では、もう心身ともに疲弊している状態の方がほとんどです。
「もっと早くカラダのケアが出来ていたら、こんなに辛い想いをしなかっただろうに。」って思うことも多々あります。
だからこそこうやって、その大切さをしっかりと伝える必要があると思うんです。
鍼灸治療や漢方の治療を並行しておこなうことで、体外受精・人工受精・自然妊娠の確率が上がることが医学的にも証明されています。
ただ、ボクたちは不妊治療に対して高度な医療技術もなければ、不妊の原因を検査することも出来ません。
そこにどんな疾患が隠れていて、カラダの内部の状態がどうなっているかなんていうのも、ボクたちの免許や知識では知ることが出来ません。
だから、クリニックでの検査を受けず、そこに問題があるかどうかがわからない状況で鍼灸治療だけを受けるというのは、ボクは違うなって思うんです。
やはり、まずはしっかりとしたカウンセリング・検査を受けるべきだと思います。
その上で、原因がわかったり、反対に「原因が見つからない」と言われることだってあります。
でも、原因が何かわからないまま鍼灸治療をおこなうより、そこに原因がないとハッキリと分かった状態で鍼灸治療をおこなうのとでは、大きく違うと思います。
そういった視点で見れば、鍼灸だけが大事とか、クリニックだけでいいとか、そんなことは言えないと思うんです。
どちらも本当に大切なんです。
だからこそボクは、「確かな診断と高度な医療技術」をおこなうクリニックでの不妊治療と「健康的なカラダをつくる」鍼灸治療は併用すべきだと思うんです。
そうすることで、悩まれている方の望むところへ、より早く、より高い確率でケアが出来ると思うんです。
こんな話を長々としていますが、ボクもそこまで多くの方の不妊治療に携わってきたわけではありません。
ですが先日、こどもを授かれないことで悩んで治療に来てくれていたボクの友達夫婦が、「無事に赤ちゃんを出産出来た」と報告をくれたんです。
その報告がめちゃくちゃ嬉しくて仕方なかったんです。
そしてその嬉しさと同時に、やはりボクたち鍼灸師が、鍼灸治療の良さを伝えていけば、もっともっと貢献できるんじゃないかなって感じたんです。
だから今、こうやってブログを書いています。
中にはクリニック内で、少し鍼灸治療を取り入れているところはあります。
ですが、まだ世間的に認知されていない部分や、クリニックと鍼灸院とが別個で動いているところが多いのが現状です。
お互いにもう少し、手を取り合っていける未来が来てもいいのになっと感じています。
そのためにはボクたち鍼灸師が、鍼灸治療の大切さを伝えていかないといけないと思うんです。それを先日の出産で、より感じました。
まだまだ超えるべきハードルは高いですね^^
そんな未来が早い段階で訪れるように、しっかりと伝えていくことと共に、健康なカラダづくりのサポートを今以上におこなっていきたいと思います。
長くなりましたが、本日はこれにて終わらせていただきます。
悩まれている方は、些細なことでも結構ですのでいつでもご相談下さいね^^
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではではまた明日~♪
5月に書いた記事も貼り付けておきますね^^