大阪市内のだんじり祭り鍼灸師・段上 功のブログ

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肉体改造の成功を証明するに、あまりにも十分すぎる最速158キロのストレート。

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レンジャーズ・ダルビッシュ有投手が、28日、本拠地でおこなわれたパイレーツ戦に先発登板し、自身1年9か月ぶりのマウンドを、見事 白星で飾った。

球数制限があったものの、無事5回を投げ終え、毎回の7奪三振、3安打1失点に封じ込んでみせた。

この日の最速は158キロ。手元でうなりを上げるストレートは、トミージョン手術前、いや、それ以上の勢いを感じさせた。

 

軽く投げたように見えた158キロ。ここに、ダルビッシュのリハビリの成果が結集しているのではないだろうか。ボクはそんな風に思えて仕方がない。

 

【大きな変化を遂げたリハビリ期間】

今シーズンの開幕前、手術後から現在までのリハビリについて、彼はこんなことを話していた。

 

自分のやりたいこと、栄養の勉強だとか、カラダを変えるとか、リハビリの期間が無ければ、そういうことをする時間もなかった。これは、自分にとって大きなことなので、逆にチャンスである。

 

メジャーリーグも含めてプロ野球選手というのは、シーズンが終わり、少しの休暇を取り、また次のシーズンへ向けて準備をすすめる。

実質、オフと呼べる期間はほとんどない。そんな中で、体重を大幅に増やしたりといった大きな変化を遂げるのはカンタンなことではない。

 

また、ダルビッシュ投手がおこなったトミージョン手術というのは、術後、ボールを投げるどころか、掴むことさえも上手におこなうことが出来なくなってしまう手術。そこから1年以上を掛け、また元のマウンドで投げることを目指していく。そのリハビリだけでも気の遠くなるような期間でもあるのだ。

ボクも中学時代、実際にひじを痛め、1年間投球を禁止された。

毎日続く地道なリハビリ、落ちていく筋力、「また元の状態に戻るまでボールを強く投げられるのだろうか。」という不安に負けそうになりながらの1年。だからこそ、ボクにはその期間の辛さがわかる。

 

だが、ダルビッシュ投手は見事に復活した。

いや、以前よりパワーアップして帰ってきた。大きな筋力を備え、カラダのメカニズムを学び、栄養学も徹底的に学んだ状態で戻ってきた。

 

一般的に、カラダを大きくすると、その体重を支えるために下半身、特に、膝関節や股関節に障害が起こりやすくなってしまう。また、腕に筋力がつくと、投げる際にひじに掛かる遠心力が大きくなり、ひじを痛めるリスクが高くなる。そして、しなやかな筋肉・関節の動きが損なわれ、動きが硬くなってしまう。そんな風に言われ、日本球界ではそれをタブーとされ、往年の名プレーヤーは、揃って異を唱えている。

 

たしかに、これは間違いではない。

体重を増やすことでケガをするリスクは間違いなく上がってしまうのは明らかだ。また、大きくなった筋肉と関節のバランスに、カラダが思うようについていかず、思うようなパフォーマンスが出なくなることもある。

 

だが、復活したダルビッシュ投手の右腕から放たれたボールは、最速158キロ。肉体改造が成功だったと証明するには、あまりにも十分な結果である。

 

そもそも、体重を増やした意図は、最大スピードを上げるためではなく、余力を残した状態で速く、強いボールを投げるため。

1年間を、少しでも余力を残した状態で戦うために大きなエンジンを積んだ。

これからどんなパフォーマンスを見せるのか、ケガなく乗り切ることが出来るのか、ゴールをする時にどんな成績を残すのか。

ダルビッシュ投手のレースはまだ始まったばかりだ。