大阪市内のだんじり祭り鍼灸師・段上 功のブログ

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「記録」と共に野球人生を歩んだ、王貞治とイチローの共通点。

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大阪市城東区鴫野にある段上はり灸整骨院

院長の段上 功(だんじょう いさお)です^^

 

ボクの尊敬するマーリンズイチロー選手が、ピート・ローズ氏の4256安打を抜いて、安打世界記録を更新しました。イチロー選手本人は、メジャーリーグのみでの記録ではないというところから、あまり特別視はしていないようです。

ですが、日米通算だといえど、世界記録を更新したのは紛れもない事実です。日本人として誇りに思うと共に、この目で見ることが出来たことが光栄でなりません。

 

世界新記録を樹立したイチロー選手。日本のプロ野球界で、過去に世界記録を樹立し、今もなお破られていない方がいます。そう、誰もが知っている世界の本塁打王王貞治氏です。2006年のWBCでも、監督と選手として同じユニフォームを着て戦った2人、ヒットとホームランと形は違いますが、実は、考え方が非常に似ているんです。

過去に読んだ本の中からも抜粋し、ご紹介させていただきます。

 

【チームのためではなく、自分のためにプレーをする】

よくテレビや雑誌でも、イチロー選手は、チームのためではなく、己のためにプレーをしているということを話しています。それが誤解を招くこともあるのですが、本心は、個人だけを考えているというわけではないようです。過去に話していた記事を見つけたのでご覧ください。

 

一般的に「おれは自分のためにプレーしている」と言うと、チームの輪を乱していると受け止められる。ただ、そういう人が集まったとしても、目指すところが同じであれば何の問題もない。というより、それが一番強いと思うんです。目指しているところが違うとややこしくなりますが、最終到達地点が同じならそれでいい。

 

決して個人の記録だけのためにやっているわけではなく、チームのためを考え、結果的に自分のことに集中しているという表現の方が正しいと僕は思います。

また、興味深いことに、王貞治さんも似たようなコメントを残しているんです。

 

自分のためにやるからこそ、それがチームのためになるのであって、「チームのために」なんて言うやつは言い訳するからね。自分のためにやっている人が、結果的にチームのためになると思う。自分のためにやる人がね、一番自分に厳しいですよ。

 

自分のために最善の努力をする。それが出来れば、結果的にチームのためになる。イチロー選手も王貞治氏も同じようなことを言っています。

また、日米通算2000本安打を放った時の会見で、イチロー選手はこんなことを言っています。

 

この日のことは引退してから楽しむべきこと。現役である以上は、『過去に起きたことを懐かしんではいけない』ということをモットーにやっています。

 

これと似たようなことを王貞治氏は言っています。

 

僕は打った時は「やったあ」と思っても、余韻を楽しむことはなかったね。余韻っていうのは、あまり数を打たない人が楽しむものなんだ(笑)。僕は、何本打っても通過点という考え方でやってきたからね。今日のホームランの後は次のホームラン。

 

起こった出来事が喜ぶべき事であっても、それについて振り返ることはない。

そこに彼らが記録を積み上げることが出来た鍵があるのかもしれません。

 

彼ら2人にしかわからない何かが、そこにはあるようで、イチロー10年物語という本の中に、王貞治氏がイチロー選手に向けたメッセージがあるのでご紹介します。

 

僕には僕なりのひとり旅があって、彼にも彼のひとり旅というものがある。僕の考え方と彼の言葉に似ているところがあるのは、そういうことじゃないかな。だから同じところで戦って、生きてきた人間にしかわからない想いというのは、イチロー君と僕との間には存在しているのかもしれないね。

 

彼はあれだけの立場にいながら、頭が下がるくらい、自分を律している。そういう風に取り組んで、やっと打てるヒットであり、ホームランなんだということを本人たちが一番よくわかっているんだよ。みんなは、簡単に打っているように見えるのかもしれないけど、本人たちは決して簡単には思っていない。人生そのものを掛けて、命を削って、24時間、最善を尽くす形で野球をやっているんだからね。でも、それを簡単に、さりげなく打っているように見せるのが気持ちいいんだ(笑)。

 

王貞治氏は過去に、こんなことも話しています。

 

僕には756号(世界新記録)を打った後、ホームランを打つことに集中できなかったとい認めざるをない時期があった。やっぱり、自分よりも上の人がいなくなっちゃったことで、周りの環境の変化に乗ってしまう自分がいたんだな。イチロー君も自分より上の目標があったから、ここまで持続させることができたのかもしれない。

 

目標がなくなると、打っても打たなくても、心が動かなくなるものなんだよ。打てなくても悔しくないし、打っても淡々。いい成績を残してきた人ほど、ある日ひょっこり、心が動かなくなる瞬間がやってくるんだ。そこはまだ彼も経験したことがないでしょ。

だから、今は数字から解放されたなんて思わない方がいいよ。数字から解放されたら、ダメ。それは、自分が蒔いた種、自分が作ってきた数字なんだから、解放されるなんてことはありえないんだよ。

 

10年連続200本安打を達成した時に、王貞治氏がイチロー選手に向けた言葉なのですが、今回の世界記録でも当てはまる言葉だと思います。

 

ですが、今日の会見でイチロー選手は、

 

「ここにゴールを設定したことがないので、実はそんなに大きなことという感じは全くしてないんです。」

 

そんな風に答えました。

王貞治氏が懸念した「目標を無くした状態」ではなく、イチロー選手の目標はもっと先にあるのだそう。もしかしたら、メジャー通算での世界記録更新を目標に置いているのかもしれません。

 

積み重ねるヒットやホームランを打つ技術もそうですが、そこだけではなく、それを支えるメンタル、精神力があるからこそ、これだけ偉大な結果を残すことが出来たのではないでしょうか。イチロー選手と王貞治氏、共通する2人の言葉を聞けば、そう感じずにはいられません。

 

僕らが生きている間に、イチロー選手の安打はどれだけ積み上げられるのか。

世界新記録を樹立した今日からすでに、楽しみで仕方ありません。